手形や小切手の不渡り事故には救済措置があり、第一回目の不渡り事故を起こしてから6ヶ月以内に不渡り事故を起こさなければ銀行取引停止処分を免れることが出来ますが、6ヶ月以内に2度目の不渡り事故を起こすと直ちに銀行取引停止処分となり、いわゆる倒産状態となります。
従って、第一回目の不渡りでは厳密に言うと倒産ではなく、敗者復活が可能ですが、統計では第一回不渡りを起こすと90%は第二回の不渡りを起こしており、そこから立直ることは難しいようです。
しかし、中にはこの救済措置を悪用し、第一回目の不渡りを起こしてから6ヶ月間は不渡りを回避し、時効が成立してから再び不渡り事故(この場合は第一回の不渡りとなる)を起こすということを繰り返す悪質企業もあります。
法務局に登記はしてありますが、営業実態のない会社のことです。実際の営業活動をしないため、休んで眠っている状態を言い表したものです。
休眠会社を再発足して営業活動を再開させることです。商業登記簿には設立の年月日は記載されていますが、営業再開年月日の記述はないため、本当は営業再開後の日が浅くても、会社の設立年月だけを見ると業歴のある会社と勘違いすることがあります。
善意で休眠会社を再発足させることは全く問題ないのですが、こういう商業登記の盲点をついて取り込み詐欺会社などが業歴があるように見せるために休眠会社を買い取って悪用するケースがあります。
商業登記をした本店を他地区に本店移転登記することです。必ずしも登記上の本店所在地で営業をしなければならないということはありませんが、類似商号などの特別の事情がない限り、通常は事業所を移転すると同時に本店移転登記を行う事が多いようです。
本店移転登記で注意しなければならないことは、現在の登記地で商号、役員、事業目的、資本金などを変更してから他地区へ本店移転し、移転登記をすると前の本店で行った登記事項の変更履歴はすべて消されてしまい、別会社のように変身することが可能なことです。
倒産会社だろうが、なんだろうが、リニューアルが簡単にできるのです。この理由は、本店移転登記は移転先の法務局に「新規で登記するのと同じ」という扱いになり、過去の変更記録は前の登記地にすべて置いてくるからです。
但し、設立年月日だけは変更するわけにはいかず、さらに、登記簿は表面上キレイになったと言っても、△年△月△日○○から本店移転という記録がありますから、移転日に基づいて旧本店から閉鎖登記簿を取り寄せれば過去の変更履歴が判明するようになっています。
会社が本店を他地区に移転した場合、今まで旧本店に登記していた履歴は所轄の法務局(登記所)に原則として20年間閉鎖登記簿として保存されます。これを閉鎖登記といいます。
例えば、A社という会社が、港区に登記をして会社を興し、その後大田区に移転した場合は、港区に閉鎖登記が残り、大田区に移転した後でも港区の法務局に行けば、遡ってA社の過去の登記関係の事実を調べることが出来るのです
<財務面の重要チェックポイントと解説>
1.対前年売上高成長率(当期総売上高÷前年総売上高)
文字通り前年の売上に対して当期の売上がどの位成長したかを知る比率。通常は対前年売上伸び率が3年連続して90%を割るようだと、売上不足イコール資金不足となり、信用不安の噂が出る。倒産企業100社の売上成長率は88%であり、売上の低迷は倒産に直結していることが分かります。
2.純利益率(税引き後当期利益金÷総売上高)
黒字決算で倒産した企業の平均純利益率は0.2%です。0.2%という比率はこのデータを取り始めた25年前と変わらず、いわば粉飾決算を行う経理担当者の心理的ボーダーラインと言えます。すなわち、0.2%は黒字であっても実質的には収支トントンかあるいは赤字なのです。
赤字にすると銀行から借入が出来なくなり、さらに、官公庁から受注も貰えなくなったりします。だからと言って大幅な黒字にすると今度は税金の問題が発生しますから、ぎりぎりの線0.2%で黒字にするわけです。
企業は投下した資本を再生産しなければならないのですが、純利益率0.2%はその日暮しのようなもので、現状維持が精一杯なのです。この数字が3年も続くと信用不安の噂が出て倒産する確率が非常に高くなります。0.2%は正に「危ない利益率」なのです。
3.月商高に対する借入倍率(借入金総額(長短借入金+社債+脚注の手形割引残高)÷平均月商)
倒産企業の月商に対する借入金倍率は9倍でした。平成バブル時代の借入金を引きずっているものが多いのですが、サービス業2.5倍程度、販売業3倍程度、建設業3.5倍程度、製造業4倍程度が健全経営を維持できるボーダーラインです。これを超えますと借入過大となり、借入返済のための借入が発生して、借入金の有効的な活用が不可能になっていきます。
4.粗利益に対する金利負担率(受取利息−支払利息÷粗利益)
売上高に対する金利負担率という算出方法がありますが、売上高では業種によってかなりの落差が生じ比較することが難しいので、粗利益に対する金利負担をバロメーターにします。
粗利益(儲け)に対してであればどの業種とも比較検討できるわけです。低金利時代下にあり、金利負担は減少していますが、借入過大の企業にとって金利負担は死活問題です。粗利益に対して15%以上の金利負担がある企業は危ない会社の仲間入りと言っても差し支えないでしょう。
*粗利益に対する金利負担率の算出式 受取利息-支払利息÷粗利益×100=金利負担率(%)
※この算出式では粗利益(総利益)率の把握が必須となります。調査会社のレポートでは、粗利益率が未取材になっているものが多く見られますが、調査レポートで粗利益率が抜けている場合は こちらの「TKC経営指標(http://www.tkcnf.or.jp/)」をお勧めいたします。
5.粗利益に対する経費率(一般管理販売費÷粗利益)
倒産会社の平均的な経費率は88%と出ました。儲けの内88%が経費として使用されてしまうので、たちまち赤字転落となるわけです。
健全経営のボーダーラインは80%程度までであり、これを超えると利益の確保が難しくなります。倒産会社を分析していて分かったのですが、上記の粗利益に対する金利負担は低く、安全ラインにある筈なのに、経費率がやたらと高い企業がよくあります。
このケースは高利金融を使用していることが多く、金利負担をまともに計上すると取引銀行にバレてしまうから一般管理販売費に入れてごまかしているのです。従って金利負担と経費率を比較検討することも大切です。
※この算出式では粗利益(総利益)率の把握が必須となります。調査会社のレポートでは、粗利益率が未取材になっているものが多く見られますが、調査レポートで粗利益率が抜けている場合は
こちらの「TKC経営指標(http://www.tkcnf.or.jp/)」をお勧めいたします。
6.総資本回転率(総売上高÷総資本「負債資本合計+脚注の割引手形+裏書譲渡手形」)
総資本回転率は資金運用の効率性を検証する上で非常に重要な分析です。また、回転率を知ることで、資産の中にどれだけの赤字性資産が含まれているかを推測することもできます。
この回転率は高ければ高いほど資金効率が良いのですが、赤字性資産のためだけに資本が使われてしまうと資金効率が悪くなり、総資本回転率が鈍くなるのです。倒産会社の総資本回転数は平均0.9回であり、このラインをさまよう企業があるならば倒産の予備軍と言えます。
7.自己資本比率(自己資本+総資本「負債・資本合計+脚注の割引手形+裏書譲渡手形」)
総資本に対して自分のお金がどのくらいのウエイトを占めているかを知る分析です。自己資本100%であれば自分の金100%ですから返済の必要はなく絶対に倒産しません。ウエイトは高ければ高いほど良いのです。
因みに、倒産会社の平均的な自己資本比率は7.8%です。自己資本が10%にも満たない企業はそれだけで財務内容が悪いと言うことになります。
日本与信管理協会 信用調査と与信管理のコンサルタント
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信用調査会社を使ったことがない経営者の方に信用調査会社の選び方、信用調査のポイントの定め方、調査レポートの読み方などをコンサル致します。
調査会社にも長所と短所があります。調査会社のネームバリューだけで依頼してしまうのは間違いです。調査の目的によっては調査会社をキチンと選択しないと調査費用はドブに捨てることになります。
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調査費用はなるべく安く、そして良いレポートを入手するためには専門家のアドバイスと多少の努力が必要ではないでしょうか。
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調査が入ったときには・・・
どの社長に聞いても税務署と興信所(信用調査会社)が入ることは、あまり気分の良いことではないと言います。税務署の調査は横に置いておきますが、信用調査会社から「調査依頼がありました」という電話が入りますと決して悪いことはした覚えがないのに、「ドキッ」とするものではないでしょうか。
昔の経営者は調査会社が来ると「興信所に用はない。帰れ」などと言ったものですが、今日ではそういうことを言ってしまうと損をする時代となりました。
会社を大きくしたいと夢を抱いている経営者は調査会社をうまく活用して自社を宣伝するくらいの超戦略的な発想がないといけません。
パクリ屋(商品取り込み詐欺)の例を出すのは不適切かもしれませんが、パクリ屋は調査会社のデータベースに登録されることに躍起となります。調査会社に登録されることはひとつの信用の証となるからです。
さて、企業の評点は低いよりも高いほうが良いのに決まっています。そのために私どもでは「評点アップのDVD」を発刊したのです。
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